2021年末に発行しました「未来バンクニュースレター」第7号より、未来バンク融資先の活動紹介です。
今回は「ちびくろ保育園」、「神戸こども総合専門学院」を運営する「社会福祉法人 野花会」。
神戸こども総合専門学院では、体験型オープンキャンパスが開催されています。
“野花会は、2013年に未来バンクの融資を受け「神戸こども総合専門学院」の屋根に4KWのソーラーパネルの発電所を設置。現在も元気の稼働中です。” とのこと。
嬉しいですね!
ちびくろ保育園の給食&おやつの内容がとても良いと思います。
以下、未来バンクニュースレターより
融資先の活動紹介
社会福祉法人 野花会
「神戸こども総合専門学院」
http://kobe-kodomo.ac.jp/
「ちびくろ保育園」
https://tibikuro-hoiku.jp/
「子どもに自由を!」求めて48年
現在私たちの法人は、都会の真中に小さな「ちびくろ保育園」と、六甲山の山の中に保育士・幼稚園教諭養成校の「神戸こども総合専門学院」を経営している。一方はコンクリートジャングルの都会にあり、片方は猪が出没する程自然豊かな所であるというのが不思議である。
乳幼児は自然の中でこそ豊かな成長を成しとげる。戦後育ちの私は明石っ子で、家の前に 大きな田んぼと小川があった。夏は海で朝から泳いでいた。だが、昭和60年代
になると、田んぼは埋められて倉庫になり、海岸はコンクリートブロックが並べられ、泳げる所は限られるようになってしまった。高度経済成長とは、子どもの自然性を抑圧する結果を招いた。
今朝の民放が、トンボが一匹も姿を見せなくなった山陰地方で、その原因が農薬のネオニコ使用であることが判り、有機農法に替えたところ、トンボや水虫生物が戻って来た結果として、トキが大空を舞うようになったと報告している。
有機農法は人手のかかる農法で、農家等ではとまどいがあることは判る。しかし、農薬のかかった食物が乳幼児に被害を与えていることは明らかである。神戸大学のマウスの実験から広汎性発達障害や自閉症への影響が懸念されている。
2000年の昔、イエスの周囲に子どもたちが群がるのを弟子たちが追い払うことをしかりつけ、「神の国に最も近いのは、子どもたちである」と言ったという。今の昔も、大人は子どもの「自由」を規制するか抑制してやまない。子どもに早くから字を教えたりして早く大人に育てようとする。
当園は、都会の中にあるけれども、子どもたちは終日泥遊びをし、狭い庭ではあるが走り廻り、冬はたき火で焼きいもをし、ラグビー等もする。そして、毎日近所の公園に出かけて行き、ダンゴ虫やミミズ等を捕まえて帰って来る。
自由な遊びが子どもの創造性を育てる。先日の運動会に卒園生がプロの太鼓芸能集団「鼓童」で実力をつけ、新潟から神戸に帰って来て見事な響きを子ども達に聴かせてくれた。
私は、元来が理系の人間で、子どもの頃の夢は博士になることだった。模型飛行機、三段ロケットを造り、空に憧れた。長じては外資系の会社のシステムエンジニアをするかたわら、第 5 世代コンピューターを考えた
事もある。
その様な人間が、それらの世界を捨てて子どもの世界に導かれたのは、妻の嘆きの言葉だった。子どもは4人産まれたが、その子どもたちが家の前の公園では遊ばないで、直ぐに家の中に入りゲームを興ずるのを見て「子どもが遊んでいない」と私に訴えたからである。
「子どもは遊ぶもの」と考えてきた私には驚きだった。確かに妻の言う通りである。九州の田舎の豊かな自然の中で育った彼女の目から見れば、自分の子が「遊んでない」というのが判る。私も田んぼに入り、おたまじゃくしやゲンゴロー、カエルを追いかけ、ヤンマやシオカラトンボを終日追いかけた日々があった。
だが、残念な事に、目の前の児童公園にあるのは鉄のブランコ、すべり台と砂場。一つとして「生命力」のあるものは皆無である。指摘されて初めて心にストーンと落ちるという事は、何かに気が奪われていたのだ!それは、子どもの世界を忘れ、大人の世界の幻想に心が奪われていたのだ。
3か月苦しんだ挙句会社を辞め、無許可の保育園を 48年前に始める事になった。「子どもに自由を!」を念頭に歩んで来たが、思えばこの狭い世界の中での自由を子どもにようやく保障してきただけではなかったかと、悔しさがこの文章を書きつつ湧き上がって来る。
今出来る事はその悔しさを ─公園に小さな田んぼを造り、虫やトンボの飛び交う構想一つも実現できなかった─ 若い学院の学生や卒園生たちに伝えて行く事ではないかと腹を決
め、短い文章の締めとしたい。
社会福祉法人 野花会 田中英雄
■学校紹介動画
https://www.youtube.com/watch?v=VNrW6TG9pTg
■ 神戸こども総合専門学院 体験型オープンキャンパス
http://kobe-kodomo.ac.jp/open-campus/
2022年1月16日(日)
2022年2月13日(日)
2022年3月13日(日)
平日の見学も可能です。ホームページまたは
お電話(078-591-5879)にてお問い合わせください。
▼ニュースレター PDF版はこちらより
https://mirai-bank.org/cms/wp-content/uploads/2021/12/cbb74bed6efc3fef0d678941f7524f50.pdf
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