医師の養生訓

東近江の松本さん

天然住宅の建て主さんの滋賀・東近江の松本さんのところに泊まらせてもらってきた。東近江で講演を頼まれた際だ。もちろん良い家で、松本さんも気に入ってくれている。

松本さん宅

 

しかしそれ以上にうれしかったのは、松本さんがこの家にふさわしい暮らしを実践していたことだった。松本さんは高齢だが医師で、今なお現役を続けている。しかも多くの医師が権威で仕事をしているのに対し、松本さんは学び続けている。そこで話していたのは微生物と腸の関係、その健康増進効果についての話だった。

松本さんの暮らしぶり

松本さんは近くで畑も水田もやっていて、近くの人たちが集まっての夕食には、夫妻の手作りの野菜がふんだんに並んだ。無農薬で栽培された野菜は、えぐみもなくとても美味しく、こんな食事ができたことをうれしく思った。これなら長生きできるだろうなと思って、改めて我が家の庭の野菜作りに熱意をかき立てられた。

もう一つ驚かされたのは松本さんは高齢なのに、「あなたの体は9割が細菌」という本を読んでいたことだった。

我が家にもこの本があるが、文字が細かくて老眼のぼくには面倒くさい。いちいち老眼鏡をつけるのが面倒なのだ。松本さんはこともなげにこの老眼鏡が便利ですよと勧めてくれたのだが、バックライトの付いたパソコンの方が読みやすい。なんて努力家なんだろうと思った。見習わなくては。

コンポストでつくる畑の土

畑に行ったら、その堆肥の香ばしさが素晴らしかった。カブトムシの幼虫も来るというその堆肥は、見事に発酵している。これなら美味しい野菜が育つのもうなづける。こういう暮らしが理想だと思った。その松本さんは家の周辺をエコビレッジにしたいと思っている。住みたいなと感じたが、すでに岡山に家があるのだから、ここをエコビレッジにしていかなくては、と思う。

天然住宅の建て主さんにはこうしたすごい人が多い。こちらが勉強になるのだ。だから建て主さんたちの交流会をやりたい。役立つ最新情報が満載なのだ。

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2018年3月発行の天然住宅田中優コラム「持続可能な社会を目指して」より転載しました。

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