日本の農業をぶっ壊す種子法廃止、なぜほとんど話題にならない?
頼まれて、マネーボイスというネット上のニュースに『日本の農業をぶっ壊す種子法廃止、なぜほとんど話題にならない?』という記事を書いた。話は「種子法廃止」の話だが、遺伝子組み換え作物を広げる地ならしに見える。
そこに子どもたちの「要指導児童の激増とネオニコチノイド農薬の出荷量」の推移のグラフを示した。遺伝子組み換え作物の出荷量と子どもたちの自閉症数、大人を含めた糖尿病罹患数のグラフも。両者の推移がパラレルに動いているからだ。
この記事が載せると同時にアクセスが増え、(2018年)2月25日にアップして28日にはシェア数一万二千件を超え、アクセス数でも第二位となった。
日本の場合には遺伝子組み換え作物の解禁以前に、「子どもたちの「ADHD(注意欠陥多動性障害)や学習障害(LD)、自閉症や情緒障害」が激増している。そこに遺伝子組み換え作物が増加したら、子どもたちはどうなってしまうのか。
木材処理とネオニコチノイド
そこには書いていないが、こんなデータもある(上図)。
論文のタイトルは「表面処理用木材保存剤の動向と展望」というもので、木材処理のデータを示したものだ。2011年に発表されたこの論文の中にはこう書かれている。
「ここ10年で薬剤の種類は大きく変化し,有機リン系化合物が使用されなくなり,ピレスロイド系化合物、ネオニコチノイド系化合物を有効成分とする製剤の登録が増加した」
と。
その論文の時点で25%がネオニコチノイド、それからすでに七年、おそらくはもっと比率が増えているだろう。
輸入された木材は、最初に臭化メチルなどで燻蒸されて殺菌され、ついで木材保存剤のプールに漬けられる。国産の木材なら臭化メチルの燻蒸はされないが、その後の「木材保存剤のプール」は避けられない。通常の販売ルートでは、処理していないとクレームがつく心配があるから販売ルートに乗せてもらえないのだ。もちろん天然住宅で使う木材はこのルートに乗らない木材だ。有毒物質に汚染された住宅は作らないのだから。
トレーサビリティのある木材を
これは大変深刻なことだと思う。なぜなら普通に売っている住宅では、ネオニコチノイド農薬が木材時点で使われているので、避けることはできないのだから。建築会社に相談してももちろん知らない。建築士は山の製材所でどう処理しているかなんて知らないからだ。
私たち、天然住宅は山の現実に詳しい。山のきこりや製材所とも交流し、どう製材しているのかもわかった上できちんと聞くからだ。
主力の「くりこま木材」では処理剤のプール自体を持たないし、生き物である木材とのつきあい方を建て主さんに知ってもらうようにしている。知人に住む家がネオニコチノイド農薬処理されていたために、苦しんでいる大学の先生もいる。まず間違った選び方をしてほしくないのだ。
2018年7月発行の天然住宅田中優コラム「持続可能な社会を目指して」より転載しました。
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