最強寒波に「断熱内窓」

家を建ててから5年目(2021年)の冬、暖窓(だんまど=木製内窓を設置した。
 
我が家は建てた時から内窓を入れられるように、最初から窓の敷居に掘り込みをいれておいた。障子はないが、障子が入るような溝が掘ってあったのだ。


これはもちろんぼくからの要望で、資金に余裕ができたら内窓を入れたいと思っていた。ところが、建築当初余裕のあるはずだった資金計画が次第に厳しいものとなり、おかげで取り付けたかった断熱内窓はそのままずっと放置されていたのだ。

▲窓の敷居にいれた掘り込み
 
 

やっと最近になってそれぐらいの余裕ができて、こちら(岡山や関西方面)で「天然住宅life」を一緒にやっている大塚尚幹(しょうかん)さんに相談して、いよいよ付けることにした。紹介してもらった建具屋さんはとても良い人で、寸法を計りに来てから見積もりをしてもらったが、とても良心的な金額にしてくれた。そのうち二つの大きな窓(掃き出し窓)と玄関脇の窓には溝がなく、現場で作ってもらった。


暖かい。それまでは窓に面していると冷たさがじんじん届いてきたが、それがなくなった。家を建てるときには、ぜひあらかじめ溝だけつけておくことをお勧めしたい。しかし建具屋さんが付けてみると、窓枠は真っ直ぐでないことがわかる。アルミサッシがついているのに窓が歪んでいるのだ。建具屋さんは木枠を補整しながらつけていく。


 
そこにこの寒波だ。岡山なのだから暖かいだろうと思うのは間違いだ。玄関外の温度計はマイナス12℃まで下がった。「嘘だろ、北海道かよ」と思う温度だ。これまでもマイナス8℃までは経験していたが、年末からの寒さは記録破りの冷え方だった。でも室内は10℃以下には下がらない。もちろんマイナスではなくプラスの話だ。我が家より標高の高いところに友人が天然住宅仕様の家を建てた。そこでも室内は10℃以下にはならないと聞いた。

外部用の木製のサッシの値段はまだまだ高い。それより頑丈なアルミや樹脂のサッシを外側にして、内側に木製の断熱内窓を付けた方がはるかに安い。


最初から考えてきた窓の様子がやっと完成した。晴れた日にはアルミサッシを全開にして木製サッシだけで風を防ぐ。そうすると太陽の暖かさが窓を超えて届いてくるのだ。今までLow-e(ローイー)ガラスのせいで届かなくなっていた太陽光の暖かさが、ただの一枚ガラスだから直接届く。Low-eガラスは北側の窓に、それ以外の向きにだけペアガラスのアルミサッシに暖窓を付けるのが効果的だと思う。

 

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2021.2発行田中優天然住宅コラムより転載しました
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