自然エネルギーで、自然な暮らしに

田中優宅の太陽熱温水器

省エネの次は、自然エネルギーの利用

次に進めたいのが再生可能エネルギー利用、すなわち「自然エネルギーの利用」だ。

太陽光発電もいいのだが、それ以前に勧めたいのが太陽熱温水器だ。なんといっても安い。
自エネ組(自給エネルギーの略で、自然エネルギーではない)で導入したら、設置費込みで30万円(※)ほどだった。※太陽熱温水器の価格は地域やメーカー、施工場所など諸条件により違います。

それで夏場はお湯が自給できちゃうし、冬場のガス代だって半分ほどに減る。太陽光発電より断然オトクなのだ。

それと暖房だが、我が家はペレットストーブを使っている。
ペレット」は、木くずを固めたもので、安いし、かなり暖かい。冬場にまとめて二回くらい買ってくれば冬じゅう持つ。もちろん木くずが原料だから植林されていれば、二酸化炭素排出量はゼロだ。

木質燃料「ペレット」
▲さいかい産業(現 warmArts -ウォームアーツ)のペレットストーブ RS-4  
(田中優宅に入っているものとは別の機種です)

電力の自給

次に太陽光発電を勧めたいが、「自エネ組」がいい。電気を作って売るのではなく、自給に使うので、電力会社とサヨナラできるのだ。

少し高くつくのが難点だが、それでも電力会社と関係性をもたないで済むのがいい。高いと言ってほとんど「10~20年」で元が取れるのだから良い。ぼくが始めた頃からすると格段に安くなった。

そして我が家には井戸がある。だから夏場にプールを広げてあそんでもタダだ。温水器のおかげで温水プールにすることもできるが、それでも無料だ。

無理なく自然な暮らしへ

ゴミも発酵させればいい堆肥になる。そこでキクイモや枝豆を育てているが、もっと庭いじりが好きならば活用できるだろう。「自エネ組」の大塚さんは、下水すら庭の土地で浄化する仕組みを作っていて、それなら下水につなぐ必要すらなくなってしまう。

その大塚さんは井戸水を利用した自然な輻射熱冷房も実現した。夏の暑いとき、井戸水は15℃程度だから(どこでも4メートル掘ればほぼ同じになる)、冬場にはそれでほんのり暖かくなる。それを京都の有名なお寺に設置した。  

どうだろうか、不自然だった暮らしから、自然な暮らしに無理なく移行する。
そうすれば地球温暖化に悩む必要も、排出しているという「慚愧の念」からも解放されるのだ。
苦行のようなことは何一つない。

我が家にはエアコンも入れた。夏場の晴れた日は電気が余ってしまってもったいないからだ。
すると快適なのに何の心配も知らなくなる。暮らすのが気持ち良いのだ。

天然住宅田中優コラム「持続可能な社会を目指して」より転載しました。

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