これは樫田秀樹さんのレポート、ぜひ読んでほしいです。怖い事態。
「リニア、採石をカモフラージュにしたリニア残土処分計画? わずか1.3万立米の採石のために127万立米(東京ドーム1杯強)の残土を高さ60mで盛り土する…。」
フリージャーナリスト樫田秀樹さんブログ「記事の裏だって伝えたい」より許可を得て転載します
●熱海以上の膨大な残土の盛土はあちこちに
熱海での土石流は山の斜面を杜撰に埋めた残土が原因で起きた。今、被害者たちは結束して、残土を埋めた前・土地所有者と現・土地所有者の両者を相手どり民事と刑事の両方の裁判を起こそうとしている。
こんな杜撰な残土計画、もしくは既に谷を埋めた残土は日本には無数にあるが、その埋め立て量が半端ではない一つが、リニア中央新幹線の工事で排出される残土だ。熱海で土石流を起こしたのは5・5万立米だったが、それを超えるリニアでの残土埋め立て計画を、不定期に整理する。
●事例1 新戸採石場(神奈川県相模原市緑区寸沢嵐)
ここには、2つのリニア非常口(斜坑)の工事から排出される残土が運び込まれる。
JR東海はその総量は200万立米と公表。
このうち、新戸採石場は「127万5000立米」の残土を受け入れる。
★不思議その1 −−1.3万立米のために127万立米?−−
新戸採石場は採石をほぼ終えた採石場で閉山が近かった。だが2020年5月1日に事業者の「1.3万立米の採石」計画が相模原市から認可された。認可期間は5年間。
ところが、この「1.3万立米」というのは採石場の上の方にあり、それを採石するのに「127万5000立米」(東京ドーム1杯分)のリニア残土を高さ60mで盛り土して、そのてっぺんに重機のための作業路を作るというのだ。
その残土がリニア工事から排出されるものだ。
商売の観点から見れば、仮に1立米4000円で残土を引き取れば、事業者は約50億円を入手できる。そしてJR東海も膨大な残土を処分することができる。win-winの関係ということだろうか。
他項目
★不思議その2 −−リニア残土の使用は採石法に違法?ーー
★恐ろしいこと1 −−採石場の廃止後
★恐ろしいこと2 −−水源がすぐ近く
新戸採石場近くの集落。まだ大きな異論や反対の声は起っていないようだが、熱海の事故を住民はどう思っているだろうか。