年間の出生数が100万人を切る
列車に乗っていて嫌な気持ちになった。泣き叫ぶ子どもと母がいて、その母をたまたま乗っていた無関係の初老の男が怒鳴った。「泣かせるな、迷惑だ」ということらしい。そこにまた無関係の男が初老の男に怒鳴った。「子どもの前で母親を怒鳴るな、子どものことは無視していろ」と。
ぼくは圧倒的に後者の味方だ。子どもは泣くものだから怒ったって仕方ないと思う。こんなことがあると、母親は電車に乗れなくなってしまう。
この子どもに冷たい初老の男を見ていて、嫌な社会だと思った。その男はいかにも皆を代表して怒鳴ったつもりの態度でいるようだ。
そんな社会の中、ついに新たな子どもが生まれなくなってしまった。なんと年間の出生数が、100万人を切ったのだ。しかも二年連続で。単純な計算で1億人の人口を養うのだとしたら、一人が100人を養わなければならない。100万人の100倍でやっと一億人だ。
しかもADHDだったりLD、自閉症といった『要指導児童』と呼ばれる子どもたちが激増し、10人に一人以上となった。子どもたちを大切にしない社会の罰のようだ。
子どもたちを大切しよう
すでに遅いけれど、子どもたちを大切にしよう。毒物を食べさせたりするのではなく、毒物だらけの住宅に住まわせるのでなく。まず大量に摂取してしまう室内の空気を気にしよう。家に使う木材自体に、ぼくが問題の根源と思っている農薬「ネオニコチノイド」殺虫剤が使われているのだから。
そしてゴキブリ対策の薬やペットのノミ取り薬もガーデニングの薬も気にしよう。それは子どもの脳に作用するばかりか妊娠の確率すら下げている可能性もある。子どもの脳の中にドーパミンを分泌させて、「勉強どころじゃないんだ、今これをしないと」と集中力を拡散させる。それは関門を潜り抜けて母体から胎児に、臍帯血から脳へと入り込んでしまう可能性がある。
自発的年金辞退資金
ぼくらの作ったNPOバンク(天然住宅バンクなど)に緊急の資金プールを作りたい。題して「自発的年金辞退資金」のプールだ。かつかつな人は無理しなくていいが、とにかく私たちの世代だけが甘い思いをしてツケを次の世代に残すのは嫌だ。だからもちろん全額でなくていいから、少しでも年金を辞退して、次の世代に渡したいのだ。
友人が「信頼資本財団(カネが信頼になる時代を超えて、信頼こそが資本になる時代へ)」という公益財団を立ち上げてくれている。私もその評議員の一人となっているが、そこであれば寄付控除が受けられる。税負担の一部が免除されるのだ。そうして次の世代の負担を少しでも減らしたいと思うのだ。
田中優天然住宅コラムより