環境活動家田中優(たなかゆう)が読んだ本のご紹介。
今回は「菌根の世界」です。
菌と植物の素敵な関係がこの1冊につまっています。
「炭を土の中に入れると土が豊かになることが多いんだけれども、それはどうしてなんだろう?」
そのことについて何か書いてあるかなと思ってこの本を読みました。
■「菌根の世界 菌と植物のきってもきれない関係」
著者 齋藤雅典 出版社 築地書館 2020年9月刊行
ー緑の地球を支えているのは菌根だった。
陸上植物の8割以上が菌類と共生関係を築き、 菌根菌が養水分を根に渡し、植物からは糖類を受けとっている。 植物は菌根菌なしでは生きられない。ー
(出版社HPより)
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以下、全文書き起こしです(文責田中優スタッフ)
最近読んだ本について紹介したいと思います。
「菌根の世界」という本です。
菌根というと何なのかわからない方も多いと思うけれども、要は植物は自分の根っこで栄養を摂っているように見えるんだけれども、実は菌類と共生していて、菌が集めてきたリンや水分等を受けとっているのが根っこなんですね。
そして根っこの方はその植物の方はどうしているかと言うと、その菌たちを生かすために炭素や栄養分を根っこの方から上げるんですね。それによって菌たちを生かして、そして植物自身もその菌によって支えられて生きている、という「共生関係」にあります。
その共生関係にあることについてを、きちんと紹介したのがこの本です。
この本の中でぼくがなぜこの本を読みたかったというと、炭を土の中に入れると土が豊かになることが多いんだけれども、それはどうしてなんだろう?そのことについて何か書いてあるかな?と思ってこの本を読みました。
植物にとって一番大事な菌は「アーバスキュラー菌」というんですね。
そのアーバスキュラー菌が植物の菌根菌の8割を占めているんです。
その植物と共生している菌はアーバスキュラー菌が一番主なんですが、本の中にはやはりそのことについて書いてあるんですね。
「アーバスキュラー菌根菌の活動の高まりにとってその炭というのは実は邪魔にならないもので、共生している植物に依存している菌根菌にとっては格好の居場所となる」という話が載っています。
それによって土の中に炭を入れてやって、そうすることで菌根菌のアーバスキュラー菌が健全に生きていられて、それによって植物が育つ、という話がこの本の中に出てきます。
そうなのか!植物は単一に生きているわけではなくて、菌類と一緒に暮らしているんだな、というのがわかる一冊です。
その菌の方も色んな種類があって、それらの色んな種類の菌とまた植物が一緒に共生している話について、たぶん初めて日本の中でわかりやすく書いた本なのかなと思っています。ぜひこの本を読んでみてほしいと思います。
そして最近新たな※メルマガを書いたんですけれども、そのメルマガで書いたのはその炭と菌根菌との関係について、今どうなっているのか?について書きました。
結論的にどうなのかと言うと、この共生したことによって、植物が育つために炭素を使うばかりではなくて、実は半分強をその菌根菌に与えているんです。
だから菌類と植物は一緒で、そして二酸化炭素の吸収で言うと植物が多いと思われがちなんだけれども、土壌に住んでいる菌の方が実はその受け取っている量の方が多いんですね。
それによって地球温暖化を食い止めてきて、それによって空気中に漂っていた二酸化炭素、何と当初97%を占めていたんですがそれが0.04%まで減ったというのは、植物と菌根菌のおかげだったとう話がわかるようになっている本です。
ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
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