ちょっとオカルトじみた話だが、ある石を通した水が木材に入りやすく、乾燥しやすくなるということに気づき、しかも温度を伝える赤外線の波長にも、「育成光線」と呼ばれる生物に適した波長があり、中でも「テラヘルツ」と呼ばれる波長には、木材に浸透して水分を揺らして乾かす効果のあることもわかった。
それを使っているのが石川県の「フルタニランバー株式会社」で、従来の半分の温度で半分以下の燃料しか使わず、木材が艶やかで歪みや吾も少なく乾燥することに成功している。
ここで「ノックダウン家具」を作って成功させることが次の未来構想だ。それを成功させたなら、日本の従来有名でなかった産地で「頑丈な銘木家具」を作ることができるのではないかと思う。

この「フルタニランバー」は石川県の能登半島にある「能登ヒバ」を使って楽器に至るまで作り出すことに成功している。ヒバの木は歪みやすくて曲がるために嫌われていたのだが、それが「トーンウッド」と呼ばれる楽器用の木にまで使えることを実証した。
しかももともとヒバは「蚊殺しの木」という別名があるように、虫に対して強く、現実にそれを土台の梁や腰板に使った我が家では、夏になっても虫が入って来ない。もともと蚊取り線香の臭いが嫌いで使えない我が家にとって、他の木では得られないほどの効用を今も維持している。
もしヒバの家具があるのだったら、それを室内に使いたいと思うのだ。
つづく

天然住宅田中優コラム「持続可能な社会を目指して」より転載しました。
田中優コラム一覧はこちら↓