心の底がほっと暖かくなる~生ゴミカラットを通して~

https://eleminist.com/article/1465 より

これまでも書いてきたように、言うまでもなくぼくは金銭的に豊かではない。しかしカネを欲しているかというと、ほとんど欲していない。

SNSを見ていると、稀に「こうすれば豊かになれますよ」とか、「こうするだけで儲かります」とか、「これは買いですよ」みたいな記事が届く。稀というのは控えめな言い方で、むしろそんな広告記事の氾濫の中を、掻き分けながら必要な情報を見つけているような状況だ。

とにかく金持ちじゃないことがいけないように言ってくる。そんなことを言われても、もうぼくに欲しいものはないし、あまり食べられなくなったし、自給しているものが多いから買う必要もないのだが。

でも、今日は生ごみカラットというものを買いたくて友人に連絡を取った。
何かというと簡単なザルのようなものだ。ここに生ごみを入れると水が漏れる。だから水が出ないように捨てれば、生ごみがカラっと乾燥する。それを外に干しておくといいそうだ。

我が家のような田舎の家ではいくらでも干すところがある。洗濯物は今や洗濯乾燥機に入れれば自動で乾燥してくれるから、物干し竿はほとんど使わない。だからそこに掛けておけばいい。

生ごみカラットの何がすごいかというと、これだけで地域のゴミ処理が大幅に軽減されることである。

岡山市家庭ごみ組成分析調査報告書(令和3年12月)より

地域ゴミの内容を見てみよう。
ぼくの地元の岡山市の例で、「燃えるゴミ」の「重量」と「容積」について分析した組成が示されている(上の図)。

簡単にとても多い「三大ゴミ」を示すと、重量比で

  • 紙が22.2%
  • 生ゴミが33.67%
  • プラスチック類が32.28%

となっている。

主たるごみのこの3つだけで重量の88.15%を占める。
 

残りには「木草や繊維」などがあるが、紙が半分弱、生ゴミが2割、プラスチックが2割となっている。これをいっしょくたに混ぜ込んで、「燃えるゴミ」として捨てている。

特に生ゴミからしみ出した水分は、回りの紙や木草、繊維などにしみこんで、びちゃびちゃにしてしまう。そのせいで「燃えるゴミ」という名の「水だらけで燃えないゴミ」になっている。

おかげでゴミ焼却場ではこれに重油を掛けて燃やす。そのおかげで、地方で一番の二酸化炭素の排出源は、ゴミ焼却場になってしまっているのだ。

これを解決したければ簡単なことをすればいい。

生ごみを乾燥させてから捨てればいいのだ。

それだけのことで解決できる。そのために必要な道具は、水を切るためのザルと、コバエが寄らない網だけだ。まさにそれだけの品となっているのが「生ごみカラット」なのだ。エネルギーも使わないし千円もしない。こんなに安くて簡単なものはメーカーも開発しないし、売り物にもなりはしないだろう。

それをゴミを考える市民団体が作ってモニター販売した。だから「これぞ」とぼくは求めた。狙いとしては自治体に協力してもらって販売し、本気でゴミ問題の解決と温暖化防止をしたいようだ。


買い求めたのは知人からだった。そして販売元を紹介してもらったら、その人もまたぼくの講演会の参加してくれた人だった。なんだか実に簡単にルートが開かれてしまったのだ。これを買って、今一緒に考えている市の「温暖化防止計画策定委員会」の人たちにも見せたいと思う。

 
そんなことを進めるために連絡を取ったら、つながり合う人たちの間にほっとするような暖かさを感じた。このつながる感じが、金儲けの話よりずっとうれしい。


乾燥させた生ごみはコンポストにするのも簡単だ。
そんな簡単なことでゴミ問題の大半は解決できるのである。

天然住宅田中優コラム「持続可能な社会を目指して」より転載しました。

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