2020.5.26配信
田中優「シンプルに暮らす」
https://youtu.be/4chvNz0PA4s
2020.4 移住先の岡山の自宅にて収録しました。
移住先で出会った娘のママ友が聞き手となり、コロナ渦での近況、オフグリッドで電気、井戸で水道、そして家賃などにお金をかけないシンプルな暮らし、農薬を使わない土づくりなど色々な話をしています。
移住して天然住宅を建てオフグリッドで電気は自給自足、水は井戸で燃費の良い車を買って・・色々なものから縛られない、なるべくお金に頼らない暮らし方を目指しています。
それにしてもこの収録、なんとなく友人と話している感じ。
そして今の生活はとにかく何にも縛られていない。
こういう生活はいいなぁと思っています。
近況は?
ー優さんおはようございます。
「おはようございます。」
ーまず優さんの近況から教えてください。
「例のコロナの問題があってそのおかげで大学が休みになっちゃったんですよ。5月の中旬から始めることになってそれまでは授業が休みに、その後今度授業は始めるけれどもオンラインでやることになるということで、そのおかげでわざわざ横浜まで出かけるんじゃなくてこの岡山にそのまんまいるんです。」
ーじゃあお家で過ごす時間が。お仕事もおうちでできて。
「はい、家で過ごしています。その代わり東京には本当に行かなくなっちゃうよね。そうすると東京がすごい遠い場所に感じますね。」
お金のかからない暮らし~燃費の良い車に乗ろう~
ーそうなると、今度はこの岡山でどう過ごすか?もう生きているだけで人間って、普通食べ物もいるし電気もいるしお水もいるし、必要なものがいっぱいあるって思っちゃいますよね、お金もいるって思っちゃう、一般の人は。
「やっぱりそこがとにかく“お金のかからない暮らし”に変えていくっていうのが大事だったんだよね。僕自身がそういうことを若い頃から色々働いていたりした関係があって、結構お金がかからないように気をつけていたのね。お金を使うんだったら、“将来的に活きるお金”、つまり他のものが安くなるようなところにお金を使いたいと思ったわけ。
例えば簡単に言うと今うちが乗っている車が、やたら燃費が良いわけ。しかもクリーンディーゼルだから公害が出ないディーゼルだけど、だからリッター当たりの値段が安いんですよ。しかも1リッターの軽油で今22.4 km 走るんだよね。
なんとそうするとかみさんの実家である新潟まで行くのに、途中に給油しなくて行けちゃうんですよ。」
ーえーーーー!!そうなんですか!
「 そう、新潟までね。高速道路で給油するとどうしても高いじゃない。それが結局1回も給油しなくて行けちゃうので」
ーそんなに違うんですね。
「うん全然違うんだよね。前も燃費は多少は気にしていて軽自動車に乗っていたわけだけど、軽自動車の時の方が燃費が今より倍くらい悪かった。」
ーこの車が良いんでしょうね。軽自動車が悪かったというよりもこの車がお利口さんなんでしょうねきっと
安くなった電気料金で冷蔵庫を買い替える
「そうすると結局同じことをしてもお金がかからないわけだよね。最初は高いよ。車としてね。ディーゼルだとやっぱり合計で200万円超えたかな、それぐらいの値段したんだけど。でもそれだけのことでその後の費用がずっと安くなる。
つまり今は高いけどそのメンテナンスとか維持するための費用についてを安くすることができるとしたら、そっちを選ぼうっていう風にしてきたの。
そういうことをやってきたのが今やあちこちに効果が出てきた感じだよね。
省エネ製品なんかも元々その発想でやったんだよね。
例えばエネルギーの問題で地球温暖化を防止するにはとか考えていた時に、そうするとみんなやっぱり省エネ製品に変えるのもいいけど高くつくとかよく言われるんだよね。それで徹底的に計算したの。
計算してみたらその頃、家の中の電化製品で一番電気くうのって冷蔵庫なの。その冷蔵庫ってすっごい省エネしてさ、今やかつての3%しか食わないんだよ。だからそうすると97%マイナスになるんだよね。その省エネの冷蔵庫に買い換えると、安くなる電気料金で買うときの値段だいたい10万円ぐらいするけれども、それを元を取るのにだいたい3年ぐらいで元がとれちゃう。
その頃の古い冷蔵庫と比べると3年か4年か。
冷蔵庫に年間消費する電気の値段が約25,000円だったとして、25,000円安くなるとしたら4年間で10万円でしょ。」
ーそうですね、そうしたらもうそれで冷蔵庫代が出ますね」
「そういうことやってきていたんだけどね。そういうのがすごいこうやっているうちに色々こうやるとすごい減るなとか結構楽しくなって、うちこれ一応 LED のライトなの。LEDのライトだとそれまでの蛍光灯と比べてもずっと電気料金が少なくなるしね。」
お金のかからない暮らし~オフグリッドで贅沢に暮らす~
ーそうやって、ライトとか冷蔵庫とか電気とかいろんな電化製品含めて、でもやっぱり今は安くなったとしてもまだ電気料金ってやっぱりかかるじゃないですか。それはもうしょうがないですか?
「うちはこれは結局元が取れないんだよ。だから僕の家は太陽光パネルとバッテリーだけで暮らしているんだけど、だから全然お金(電気料金)払わずに済むんだけど、だけど元は取れないんですよ。電力会社と繋いでいた方が安い。やっぱり10年以上かかるよね、元をとるには。そうであるんだけどもぼくは元々反原発で、とにかく電力会社とお付き合いはしたくないの。ぼくにとっては親の仇みたいな感じで(笑)。」
ーで本当に切っちゃったって言う。電線がここ田中家には通ってきていないですもんね。
「そう、つながっていないの。ついでに電話線も切りましたから。」
ー電話線も!?電話線も切っちゃっても大丈夫なんですかね?
「うち携帯電話だから。ネットのテレビとかamazonプライムとかそういうので十分になっちゃうので。」
ー電線を引かずに電力会社と一切お付き合いをせずに、でもちゃんとそうやってamazon楽しんだりできるんですよね。蓄電して暮らしていくとなると、私たちからするともっともっとエアコンもダメ、テレビもダメ、ましてや Amazon プライムなんてそんなムリムリ!ってなっちゃうんですよね。電気量が足らないってなっちゃって。夜も8時ぐらいには電気が真っ暗で陽が落ちたら電気は消して真っ暗にしましょうみたいな、そんな生活をイメージしちゃうんですけど。
だけど田中家の普通にエアコンもあり冷蔵庫もありパソコンもあって、なおかつamazonプライムも楽しむって、普通に電気が通っている家庭と同じ生活ができちゃっていますよね。
「結構贅沢をしています(^^; その贅沢ができているのは、それぞれの電気消費が少ないので、 一個一個が省エネ製品ばかりだから、そのおかげで電気消費が少ないから、だから自給できてるの。
だから他の人の家庭の電気料金の請求書とか見ると、1ヶ月に消費している電力はすごく大きかったりする。だから我が家はその今の自給になっちゃう前の電気料金がひと月3,000円ぐらいだったの。だから自給にもっていけたので、1万円くらい払ってるって言うのが普通だから。毎月1万円払ってるようだと(オフグリッドは)無理だね。」
ーでも3,000円に抑えれているんですね。
「それが省エネのおかげですね。」
ー田中家にある電化製品ってほぼほぼ省エネ製品なんですか?
それにするだけでそんなに変わるんですか?
「変わるんです。その省エネの効果っていうのはやっぱりグラフなんかにしているんだけど、それで見ると一番電気消費の大きいのが冷蔵庫(映像ではテレビだが冷蔵庫が正しい)だったんだけどそれがマイナス97%。たった3%だけで使えちゃうっていう風に省エネしてくれてるし。」
ーそんなに変わりますか?だって田中家って優さん含め自営業でいらっしゃるから皆さんお昼間もお家におられたりするから、二人とも共働きで家にいませんという家庭よりも電気はいると思うんですよね、お昼とかもいますし。
「このモニター、我が家の今の状態でこれがいつでも見れるの。
今のバッテリーは電気が95%貯まっていますよと。
これは今日が晴れているからだけど、今電気を消費しているのは82 W・・ 80 W とかもうこれ毎秒変わるんだけど、どんどん変わっているけども80wぐらいですよ。
それによって一日の中では今バッテリーはぐーっと夜を経て朝まで減ったんだけどそれがぎゅーっと急激に増えましたよっていうのがこの中で出ているんだけどね。
慧(けい)通信技術工業の粟田さんっていう人が作ってくれたパーソナルエナジーという機械の中には、こういうのが表示できる機能があって。」
ーそれでここの娘さんはいつも電気を消し忘れたりすると“電気がなくなるからダメ”って言って怒られるんです(笑)。電気がなくなるって言う言葉が、そもそも初めてだったんですよ私からすると。電気がもったいないから消しなさいよとかいうのは聞いたことあるけど、電気がなくなるからつけっぱなしにしてちゃダメでしょって子供から怒られるって不思議な感覚だったんですけど、でもそういうことですよね。
「普通に電線に繋がっていると、無限に使えるじゃない。だから無くなるって感じはないわけだけど、うちの場合バッテリーだから、それが今何パーセントなのかって気になるわけ。外から帰ってくると今何パーセントかな?って見に行くの。」
ー何%か私も聞かされたことがあります。
でもそれがピンとこない私たちですよね普通はね。
でも電気って、そこが自給自足できたら本当に素晴らしいですよね。
「本当にね。だからなんと言うかな、これはもう縛られて生きていくしかないんだって思うのか?それがなくなるんだよね。」
ーもう埋め込まれているように、それしか考えられないと思っちゃうんですよね。
初めてそういう話を聞くと、本当に「え?違う世界もあるんですか?暮らし方があるんですか?」みたいな、自給自足の電気だけできるって言うのはすごい不思議です。
水道はどうなんですか?
ネオニコチノイド農薬と水道水
「水道はうち井戸だから。」
ーじゃあ井戸水はその貯めた電気でくみ上げて・・?
「そう」
ーすごい
「ここはねぇでも水道は井戸にした方がいい地域なんだよね。」
ーそれは地域によって違うものなんですか?
「ここは水質が良いの。」
ーあーなるほど
「元が8000年前(訂正⇒正しくは8000万年前)だけど火山だった都合があって岩ばかりなんだよ。その土になるべきところが。その岩を経由して流れ込んだ水ってのはどうもすごくいいみたい。」
ーろ過されるんでしょうね、自然に。その井戸は掘ったんですか?
「いや、この家を買った時に中古で買ってリフォームしちゃったわけだけど、その中古で買った時に前の家(の所有者)が井戸を持っていたので、その井戸は使ってなかったらしくて蓋がしてあったんだけどね、これ井戸じゃんということで復活させちゃったの。」
ーそのずっと使っていない井戸も、普通に簡単に復活させられるものなんですか?
「簡単に復活したねぇ。なんか貞子が上がってきそうかと思ったんだけど(笑)
ところが別にそんなこともなく、やったのは最初2日ぐらい水をずっと流して、中に溜まっていた水を全部入れ替えるみたいなことをしたぐらいだよね。
水は僕は実は農薬も心配しているので、そのこともあって昨年検査をしてみたの。
1ヶ月間ずーっとその累積値を測る機械で測ったんだけど(農薬検出は)ゼロ。」
ーお~!すごい優秀!素晴らしい
「今は水道水も農薬汚染しているんだよ」
ー・・・・え?・・えーーー!ショックなんですけど
「今のネオニコチノイドという農薬は水溶性の農薬なので、水に溶け込むんですよ。
地域の中に例えば水田があれば、水田のところに農薬を撒いちゃうし、果樹はものすごく農薬を撒くし、そうしたものが水溶性なので全部水に流れ込んでくるの。そして川とかに流れて行ってそこから水道水をとっているので、結局水道水が汚染されちゃうんですよ。」
ーショックなんですけど
「そうだよね」
ーだからうちは農薬を使わずにお野菜作っているから大丈夫って言う前にそもそももう普通に流れてきちゃっているって事ですか?
「水道水がやばいですね。この地域でもやっぱりネオニコチノイドを使っているからね。
もし農薬をゼロにしたいと思うんだったら井戸にするしかないだろうね(^^;
ただここの地域だったら、例えば我が家は(農薬が)全く出なかったつまりここの家より上流には農薬を撒いてなかったというおかげでゼロだったわけだけど、それは自分の地域の上流の部分に畑がないかどうかによるよね。特に多いのが果樹(果物)とあとお茶。」
ーお茶もですか!?
「お茶も農薬をいっぱい使うんですよ。実はお茶を測ると検出されちゃうの。
だからペットボトルのお茶とか全部検出されたよ。量に違いはあったけど。
パックに入っている麦茶とか緑茶とかそういうの使っちゃってるよね。
無農薬のお茶っ葉を選ばない限りはそうなっちゃう。
お茶っ葉って洗わないんですよ。洗っちゃうとみんな成分が落ちちゃうから。
洗わないでそれをお湯から煮出すわけだからね。だから中に入っている農薬はちゃーんと出てくるわけだ。・・」
抗生物質入りのエサを食べる牛が輸入されている
「今ね、週刊新潮で特集されているんだよね。その毎週の週刊新潮の記事を見るとゾッとするよ。どういうものにその危険な薬品が含まれているかっていうのをずっと連載でやっているの。
それが今言ったネオニコチノイドももちろん非常に問題だけど、除草剤とかあとアメリカ製の肉なんか特にやばいんだよね。お肉、牛肉とか買うじゃない?そうするとその牛が飼われているのが、すごいギュウギュウに押し込んだ密集した形で“ファクトリーファーミング”って言うんだけど、工場みたいなところに押し込まれて育つの。
そうすると当然病気が感染しちゃうでしょ。
それをあらかじめ感染させないように防ぐためには、何と抗生物質をみんな与えちゃうんですよ。」
ー牛に?
「そうそう。先に抗生物質漬けにすれば病気は広がらないから。
その抗生物質が、なんとグリホサート、除草剤の中身と同じものなんですよ。」
ーえ?除草剤の中身?・・に?
「ラウンドアップ(商品名)の中身ね」
ーはいラウンドアップ聞いたことあります
「ラウンドアップあれ除草剤だけど、その中身をグリホサートと言うんだけど、そのグリホサートが抗生物質として認められているの。その抗生物質を牛に与えるの。」
ーそれを食べた牛のお肉を食べている私たち・・。
「そうそう。しかもその遺伝子組み換え食品ってあるじゃない。
アメリカのその餌に与えられている穀物って、遺伝子組み換えのものが多いんですよ、アメリカのカナダのものは。それを食べちゃった牛たちはみんなもともと非常に農薬を持っちゃっていて、それが日本に入ってきているわけだよね。」
ー日本では、じゃあ日本の牛にはそれは使われてないんですね?
「日本では禁止されている」
ー「日本では禁止されているんだけど、アメリカの牛さんには禁止されていなくて」
「ただし遺伝子組み換えの作物・穀物は与えられている日本でも」
ー日本の牛さんにも?
「日本の牛さんにも。その抗生物質としては認められていないけど。」
ーでも遺伝子組み換えのものは牛の体に入っている・
「そうそう。餌に与えちゃっているから。というのはね、それを作ったのがモンサントなんだけど、そのモンサントが作ったその遺伝子組み換えの・・」
ーモンサントって?
「農薬会社。それがねもともとアメリカで遺伝子組み換えをバーッとやったの。
ところがアメリカの人達がもうこんなのやだって遺伝子組み換えみんな食べなくなってきちゃったんですよ。オーガニックな食品はアメリカで異常に多くなって、そしたらその余っちゃうじゃない遺伝子組み換え作物、日本がそれを一生懸命買ったの」
ーうっそ・・それを普通に食べている・・
「そういうことですね。」
ーそれは牛肉だけなんですか?
「いやいや豚もそうだし。ただ日本の場合はヨーロッパから豚が多くて、アメリカからは牛が多いんで。」
ーじゃあヨーロッパの方ではその抗生物質とか遺伝子組み換えとかまだそこまでアメリカほどではないんですね?
「ではないです。というのはヨーロッパではそれを嫌がって結構規制がかかっているんですよ。そのおかげでアメリカより量は少ない。だけど今後は分かんないね。モンサントは今はドイツ系の企業の会社になっちゃったんで。」
ー今までどうだったのかも分かりません(^^;
「今まではアメリカの企業だったの。それがドイツ(大手製薬会社)の企業バイエルに買収されたの。そうするとその企業はすごく政治力が強いんで政府に圧力をかけてというのは当然やるわけ。困っちゃうよねEUの中で規制が甘くなっちゃったら。日本はまたそれアメリカに合わせて基準を緩めたんだよ、あべちゃんがね。」
ーそれはいつのことですか?
「基準緩めたのはごく最近だね。1年くらい前かな。」
ーこれから出てくる?
「うんそれまでも甘かったんだけどね。それを更に甘くしたの。」
ー何ででしょうか?
「要は企業が儲かるような国にしようという方針だから、企業を規制するようなことはとにかく辞めていこうみたいなことばかりをとにかくやって、人々が苦しむのはいいけど企業が苦しむのは困るっていう」
ーそれは国のトップの人が今そう思っちゃっているからもうしょうがないってことですね
「困ったことだよね」
ーもう食べるものも何にも食べられなくなっちゃいそうですけど・・
「でもJAに行くと無農薬のものとか売っていたりするじゃん。それに無農薬のものも作っている人も結構この辺多いじゃない。」
ーそう!お野菜に関してはすごい多いですよね。近所の人から頂いたりとかそういうので。
「でも野菜も普通だったら結構農薬使うものなんですよ。ところがその点は恵まれているよねこの地域は。農薬が使われ出したのって1960年から。
だからその頃まで農業をやっていた人は農薬何てもの自体を全く知らないで農業をやっていたわけで、その頃の農業の仕方を変えたくないわけだよ。そういう思いの人がそのまま農薬を使わないままきているってパターンが結構あるよね。」
ー白菜の中に虫さんが這っていたりとか、そういうのが見えないお野菜の方が逆になんでこんな綺麗なのと思ってなんか気持ち悪いって思っちゃうんですよねやっぱり。
吉田俊道さんの菌ちゃん無農薬野菜で、基礎体温が上がった
「でもそこが面白いことに吉田俊道さんのやっている菌ちゃん農法だと違ってくるんですよ。」
ー菌ちゃん農法?
「うん、無農薬だけど微生物の菌を一生懸命増やして土を豊かにしていこうって言うやり方をしているんだけど、虫が嫌う物質を植物(野菜)が出すから、だから虫がつかないんですよ。」
ー植物が強くなる?
「そう強くなる。そうすると虫の嫌う物質をバンバン出すので」
ー本来の植物の力が発揮される
「そういうことですね。おかげで虫がつかないの。だから虫喰いじゃないんですよ。」
ー土を育てる、っていうのはちょっと馴染みがあんまりないんですけど
「農業の人は何かしらの形でそれをやっているわけだけど、特にその時に菌ちゃん農法の時に違うのは、腐敗と発酵、同じことなんだけど、それが人に使われると発酵というだけど、それを発酵方向になるべく向けていくっていうことをやると、その土から育つ生き物がやたら元気になるの。」
ー腐敗じゃなくて発酵させた土?
「そう、腐敗方向じゃなくて発酵方向に。
カブトムシの幼虫がいるのが発酵方向。ミミズがいるのが実は腐敗方向なの。」
ーあーすごいわかりやすい!ちょっとふわふわしてますよね、カブトムシがいる方って。あの土を作るために、どうやったらいいんですか?
「菌ちゃん農法は最初にやったのは食べ残しだったんだけど、それをうまく腐らせるんじゃなくて発酵させてって方向にやるんだけど、一番重要だったのは水分だね。水が多いとどうしても腐敗方向に進んじゃうので。」
ーそうすると、植物が本来持っている力を発揮して虫をそんなに寄せ付けない。そうすると農薬も要らない。
「そう。その野菜を学校給食とかで使っているところがあるの。マミー保育園という福岡県の保育園なんだけど、そこではそういうのを学校給食に使っているの。子供たちやたら元気なんだよ。全然学校を休まないの。
その野菜を子どもたちに作らせるんだけど、その子どもたちにはその土から作らせるわけ。その土が良いから農薬要らずの野菜がとれて、それを子供たちに与えていたら、まず一番大きな差になるのは、“基礎体温”が変わるの。基礎体温上がるんですよ。
35度台の子どもがいるんだけど、それって基礎体温が低いわけ。できれば36.5度欲しいんだよね。基礎体温が高ければ高いほど病気しないんですよ。そこが全然体温が違ってくるの。それはやっぱりその吉田俊道さんは長崎だから九州のあの辺が多いんだけど、小学校でもやってたりするんだけど子供たちの基礎体温が36.5度以上が80%。すごいことになるわけ。
それで面白いことに基礎体温が急激に下がるのが3月と8月。」
ー基礎体温が下がるのが?3月と8月・・?え、なんで?・・ あ!もしかして給食がない?
「そうなの」
ーなるほど!そんなにすぐでるんですねちゃんと。
子どもの体ってすごい正直ですから余計わかりやすいかもしれないですけど、その土を作るって言っても、必要なものっていうのは水と、切った野菜の残りとかそういうのでいいんですか?
「そういうことです。」
ーへたとかそういうの?
「うん、それでなるべく人間の食べない部分が栄養豊富なので、皮とか種とか。」
ー 一番栄養豊富なところを捨てちゃっていますもんね。
そういうところでそれで作れるってこと?あるものでできちゃいますよね?
「できちゃいます。あとは雑草とか、それこそもうすぐ草刈りが必要になるけど刈った草とかをそのまま使えるので。吉田俊道さんが今やっているのはなんとその野菜とか野菜くずとか、漬物にしちゃうの。その漬物にしちゃったやつをそのまま土に入れ込んでいるの。」
ー・・発酵?
「発酵させた野菜くずを土の中に入れちゃっているわけ。」
ー食べ残したところでお水で作れるってことは、本当にお金をかけずに作れちゃう。
「そうだね、農薬代もいらないし化学肥料代もいらないし。」
ーそれで子どもの基礎体力は上がり、基礎体温も上がり、すぐにでもできそうですよね 。
「そう、そう思うんだよね。だけど、みんなやっぱり今農業やっている人たちの頭の中は、農協から指導するようにもパキッとなっちゃってるから、なかなか柔軟には変えられなくなっちゃっているよね。岡山はそういう意味では割と自由な人が多い県だけど。」
ーさぞかし、優さん居心地が良いのじゃないでしょうか?
移住してオフグリッドした結果、何にも縛られない生活がここにあった
「そうですね、それに加えて移住者が多いじゃないこの辺。移住者の人たちはかなりまた自由さがあるから。おかげですごく楽々ですね。
結局今こうやって暮らしていても、うちは電気・水道とかそういった光熱水費がほとんど要らない。それで家賃もないじゃない。そうするとお金がそれほど必要ないんだよ。そうすると楽だよね、生活が。」
ーでもその楽な生活っていうのが、何にも縛られていない生活って感じはすごいイメージ的にありますよね。
その縛られない田中優さんをこれからももっともっとちょっとずつ小出しにして色々知っていきたいなってすごい思います。第1回目、ざっくり大まかにゆうさんの頭の中をちょっと聞いたんですけど、次からはちょっとずつ今日聞いた中のことからも小出しにしながら、そういうもっと楽に縛られない生き方を見つけるためにこれからもどうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。
「ありがとうございました。」