野口種苗の種
移住して5年も経つのにまだ新たな場所を見つける。それもまた面白いのだ。見つけたのはこちらに住む友人のFacebook投稿だった。「ここ(日本一のだがし売り場)に野口種苗の種があったんよ」という投稿だった。
野口種苗といえば知る人ぞ知る「在来種の種」を売っているホンモノの種屋さんだ。
普通の種は通常「F1種」で、取れた種で次に育てようとすると育つ作物はダメなものに戻ってしまう。F1種は「トンビから鷹」を作る技術で、雑種と雑種をかけたときに第一世代だけいい作物を作る特性を利用したものなのだ。それで次の世代の作物を作ると「鷹からトンビ」に戻ってしまう。
でも自分で育てるのだったら、F1種でなく在来種の種を使って次の世代もそこそこの作物にできた方がいい。その在来種の種を売っている貴重な種屋さんなのだ。
日本一のだがしや
その「日本一のだがし売り場」さんに入ってみると、おそろしく楽しい。
駄菓子屋さんで売っているもの、夜店で売っているもの、どこで売っているのかわからないような品が、大きな倉庫に所狭しと並んでいるのだ。
その中の一部に野口種苗の種が売られている。そこには「西日本で初」の販売と書かれている。面白い店であることは確かなのだ。
地方の醍醐味
さらに面白かったのはお店の前はだだっ広い駐車場になっているのだが、そことお店との間に屋台のお店のような店が並んでいる。そこの価格が昔の駄菓子屋のように安いのだ。なんだかどれを選んでも色しか違わないかき氷は子ども用で100円だった。ポテトフライもコロッケもその程度だ。
大型バスで来る団体すらいた。ここなら地価が安いからいろんな実験ができるのだろう。しかもどこかの建てた倉庫の再利用だからリスクは少ない。なにか面白いことを考えついたら転入してきたらどうだろう。もしかしたら野口種苗の種を売りたくて、ついでに日本一の駄菓子屋を開いたのかもしれない。これも地方の醍醐味なのかもしれないな。
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2018年配信の天然住宅コラムより
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