「再稼動ではなく、原発の廃炉を」

6月4日、衆議院第一議員会館にて
「取れない責任を取ると言うな 大飯原発を再稼働するな 緊急記者会見」があり、田中優も出席させて頂きました。

こちらは田中優のコメント内容です。(拡散大歓迎!)

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33:10より(5分40秒) 

僕の方からは「需給関係」と、「今回なぜ再稼働しようとしているのか?」についての話をしたいと思います。

昨年私たち東京周辺に住んでいる人達はみんな計画停電、輪番停電というものに遭ったわけですけど、それ徹底的にデータを洗って調べてみました。役に立っていたのは2日間だけ。それはしかも地震の直後の1週間に集中していました。

「じゃ、どのときに停電をすべきだったか?」と調べてみると、春の時点では必ず気温が低い日にだけピークが出ます。しかも平日の場合には朝9時から12時、休日の場合には夜6時から9時。そう、明瞭な時間帯が決まっていて、その時以外は計画停電をする必要がなかったです。ということは何でこれだけ計画停電をされたのか?

実はこれは“脅し”です、単なる。『お前ら原発に反対したらどんな目に遭うかわかってるのか?こんな目に遭うんだぞ、だから原発に反対するんじゃない』という脅しのためにされていたのが、昨年の計画停電だった。

今年のこの夏に向けての計画停電、これについても基本的に同じです。

まずひとつ、ピークが出るのは必ず、夏場平日日中の午後1時から3時にかけて気温が30何度を超えるときに限られてます。ですからその時にしか出ないということ。しかもその中で、例えば橋本市長は「その時には市民が不便な思いをするか、少し安全に目をつぶるかどっちか二つに一つだ」なんて言ったけども、ウソです。

というのは、家庭の消費はピークの時間帯10%しかないからです。なんせ、平日日中の時間帯と言うのは3分の2の世帯が不在です。ですから3分の1しかいない、しかもその人たちのの最大消費ってエアコンじゃないです。冷蔵庫です。ですから残念ながら、それを減らすことすらできない。にも関わらずその人たちのせいにされた。

本当は90%を消費しているのは、事業者です。そこを隠して話をこう進めてしまってきている。

もう一つ供給側です。供給側の方、関西電力は少なく見積もっているのは2つ。その内のまず一つ目が「他社から受電できないんだ、北陸電力とか中国電力とか中部電力から買ってくる電気がなかなか受けられないんだ」というもの。これウソです。
これは共同通信が調べて、「同じ日にピークが出たことがない」というのを実証しています。

そしてもう1点間違っているのが揚水発電の利用率が半分以下にされている。これ揚水発電も実は前日の夜に電気を買ってきて、水を上に上げておかなくちゃいけないんです。
その時の電気は、よその電力会社から買うか、自分のところの火力を動かすかしかなくなる、つまりどっちも金がかかるんですよ。で、金がかかるからやりたくない、それが実態でした。

そして原発が現時点で廃止になると、1兆5千億円の資産を持っている関西電力の中で原子力は8千900億円をつぎ込んでいるので残り6千400億しか残らなくなる。ところが現状、関西電力の赤字額は毎年2400億円、3年でつぶれるんです。つぶれらたどうなるか? 株もパー、社債もパー、そしてそこに貸し込んだお金もパー、実は一番困るのは銀行などの金融機関じゃないか? 
別に銀行が困るからって我々の命かけてもらっちゃ困るんです。

私たちは、こんな明瞭に解決できる問題のために命を賭けなければならないほどの存在であるとは、到底思えません。

そして僕はもう一つ言っておきたい。菅元首相が「2025年に廃炉」と出してきたけれども、この段階的廃炉、ダメです。 よくドイツがやったらそれが良いっていう風にみんな思うんだけど、これ単なる西洋かぶれです。

ドイツに地震が起きますか?起きないでしょ?ドイツに地震なんか。日本だけですよこんな4000ガルなんてケタ外れの地震が起こるのは。4000ガルでもつ原発があるんだったら見せて下さい。世の中に存在しないです。
それを私の責任で動かす?あんたの責任というのは地震を止めることなの?できるの?本当に。

だからこんな無責任な話あってはならないです。だからこの日本の中で明瞭に事実だけ見れば4000ガルの地震が起こる国でいつ起こるかわからなくて、そこの活断層の上に、それも東洋大の渡辺先生が見つけましたね、この活断層の真上に立つ大飯原発を動かしていいかどうか? そこが問われているのです。

私たちは神に祈りながら原発を動かしたいですか? 僕は命を賭けるに値しないと思いますよ。たかが電気に。しかも今の時点では解決できるのに、そこに命を賭けるのは関西電力にお金を儲けさせてもらっている人達だけにして欲しい。
それ以外の人たち関係ないんだから、こんな監禁されるような状況はやめてほしいです。

とにかく僕はこの再稼働には絶対反対です。
どのような理由を立てたとしても、ことごとく間違っています。ですからこの再稼働を止めて、もう日本は原発をなくすべきです。地震にもつ原発はありえないんですから。それをお伝えしたかったんです。

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58:32より(約3分間) 

質問
「デモや署名をやったが効果をあまり感じられなく無力感を感じてします。どうしたらいいですか?」


ある方が「私のように内側に入っている人物が言うことの方が全然強烈なんだ、デモをやっている人なんて影響を及ぼしてない」ってどこぞのラジオで言った人がいるんだけど、とんでもない間違いです。思い上がりです。 

やっぱりみんなの動きがあるからこそ成り立つことですね、それはやっぱり力があるんだということを信じて、絶えず納得するしかない。それともうひとつ、僕は別の解決策と言うのをいくつも考えついています。

需要を下げるの簡単です。事業者です。東京で圧倒的に増えたのはオフィスです。オフィスの中の21・3%は照明器具が増やしました。これ、1本に下げても同じ明るさにできるんですよ。つまり半分に下げること簡単にできます。

45%はエアコンです。45%のエアコンは、ガスエアコンに替えると10分の1の電気にすることができます。しかも、それによってランニングのコストもガスの方が安いので、電気エアコンを使っているところだったら簡単に10分の1にしてその分だけ得させることができる。これが需要側にできることですね。

今度はじゃ供給側を考えましょう。供給側には「グリッドパリティ」という言葉がありまして、送電線からの電力会社の電気を買うことと、自分の太陽光とかで発電した場合の電気のコストが同じになることを「グリッドパリティ」と言います。今年に入ってからグリッドパリティ実現しました。何と、 太陽光発電で1kwh当たり19円を下回ります。

今我々電力会社から24円で買っていて、このあと値上がりして26〜27円になります。明らかに19円の方が安いですね。

経済原理から、それをつけっちゃった方が得になりますよ、これは商売としてやれる、その商売をどんどん広げていってもらって、原発いいですけど、高いから誰も買いませんよ、という形に社会を作ってしまうこともできる。

だから僕は、ここから先は事業者にもがんばってもらいたいと思います。経団連から抜けた人達が新しい団体を作ったようだけど、こういう運動に期待したいと思っているし、いろんなジャンルから、いろんな運動が出てくることで解決策が生まれるものなので、その中のジャンルの一つを支えていると思って、自分に自信を持ってほしいと思います。

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01:13:50より(1分半)

大飯原発の再稼動について、「これは電力需給関係の問題ではない」って関電がしつこく言ったわけです。
つまり足りる足りないの話ではないんだ、それに対して仙石氏がはっきり言ったのは、「これは企業会計の問題だ」、つぶれてしまうから、企業会計上どうしても再稼動しなければならないのだと言ったんですね。

企業会計のために人の命を賭けるっておかしいです。企業会計に例外を置けばいいだけではないですか。

原発の場合、経費の9割以上が「固定資産経費」で、特に燃料費が少ないんですよ。圧倒的に設備費用の方がでかいんですね。それの固定資産がさっき言ったように8千900億円あるわけで、それが「負債」にされてしまうと困るわけです。

それなら当面の間、動かしてなくても「資産」として認めると扱えばいいと思います。それが毎年毎年減価償却されながら減っていくだけのことになります。今の政権がやろうとしている「とりあえずの時間延ばしをして、その間に稼いだお金でペイしちゃおう」ということを、実質的にできてしまうことになります。

だからなにも人を人身御供にしなくったって、企業会計の中にその現状のものを「とりあえず動いてなくても資産と認める」と例外を作ればいいだけですよ。

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01:16:07より(約1分間)

10年以上前にアメリカではこれをストランテッドコストと呼んだんですよ。「どうにもならないコスト」。
電力自由化が進んだ時に、それまで進められてきた原発などの資産が負債になり、そのコスト処理に困ったとき生まれた言葉です。原子力ムラの人たちは、10年前にその言葉を聞いたとき、何も気づかなかったのって思うんです。きっと気づいていたはずです。

そして原発は今六ヶ所村の再処理工場が動かなくっても毎年1千100億円かかる。もんじゅが動かさなくても200億かかる。原子力は大雑把に計算すると年あたり動かなくても約80億かかる。
だからそんなもの持ってるとどんどん不良債権に沈んでいくんだから、もうきっぱり廃炉にすべきだ。

とにかくここは決断が必要な場なんです。

ところが今の政治家っていつでもそうなんだけど、「Aという説とBという説を折衷する」調整担当だと思いこんじゃっているんです。だからどっちが正しいかなど全然判断しない人が多くなっちゃってる。これが問題だなと思います。

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01:19:45より(4分間)

質問
「 地元の方が原発がなくなったら雇用がなくなるとよく言われるが、原発ってなくなっても廃炉に、止めていくための仕事があると僕は思うがこれは合ってますか?」


はい、合ってます。廃炉のコストって非常に莫大に長年に渡ってかかるので、現地の雇用を継続すると言う意味では十分な費用になります。

ですので基本的にはそれがあり得るんですが、僕はかつての時代と今の時代と違ってきたことがあると思うので、それを利用したいんですね。

要は、今は自然エネルギーがドイツが始めた頃のように、高くて具体性のないものではなくなりました。今ではそっちの方が安いです。日本は特に原子力を推進してしまったおかげで、めちゃくちゃコストが高いので、相対的に自然エネルギーの方が安いんですよ。

じゃあそのために海が必要、風が吹くところが必要、光が当たるところが必要、水の流れるところが必要、木材がいっぱいあるところが必要となりますが、それはどこですか?地方なんですよ。
原発立地自治体は地方ですから、そっち側の方がはるかに条件が良くなります。

で、自然エネルギーの買い取りが、いよいよ7月から始まる。そして経産省の「電力システム改革専門委員会」が、2014年から2015年に「総括原価方式もなくします、家庭の電気も完全自由化します」という方針を出しましたね。
だからもう自然エネルギーに、そろそろ助走をかけていかないといけない時期ですよ。
その時に一番向いているのが今原発を建てているような地方の側ですから。

それを事業化していったら、そっちの方が儲かるのに、何でわざわざこんな儲からない原発なんかやらなくちゃいけないの?雇用って命を少し放射能で減らすけどその分カネがもらえるっていういのを雇用って呼ぶの? 

僕ね基本的にこれ雇用じゃないと思うんです。人を殺す代わりに、人の命を削らせる代わりに金をやるというのは、これは雇用の名に値しない。そんなの雇用じゃないって思ってる。だけどもやめていくための被曝はどうしてもせざるを得ないことですから廃炉についての仕事はこれは聖なる仕事としてやらざるを得ない。それも雇用になります。

それ以上の雇用になるのが、地域の中で自然エネルギーにシフトさせていくことだと思います。
オーストリアでは雇用者数、バイオマスにして15倍増えました。ドイツでは12倍増えました。そっちの方が全然いいんじゃないですか?

その新しい未来の方向というのを見せることが大事で、僕は政治家にはビジョンを持つ人になって欲しいんです。
AとBを調整する人ではなくて、未来こういうのがあるんだよって出せるビジョニストこそが政治家になるべきで、今のビジョニストでない失業を恐れて何でも財界の言いなりになっちゃっているような政治家たちには、早く辞めて欲しいと思います。

記者会見の動画はこちら http://www.ustream.tv/recorded/23078337